防水層の種類と特徴|用途や選び方のポイントを解説
2024/08/02
家づくりの際に、防水層について詳しく知りたいと考えている皆さんへ。
今回は、防水層の種類や特徴、用途や選び方のポイントを解説することで、施主が安心して最適な防水層を選定できるようサポートします。
□防水層とは?どんな役割があるの?
防水層は、建築物を雨風や湿気から守るための重要な役割を担っています。
防水層がなければ、雨水が建物内部に侵入し、腐食やカビの発生、構造体の劣化などを招き、住居としての機能を損なうだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
防水層は、建物の寿命を長く保つために欠かせない要素であり、適切な防水層を選ぶことは、快適な住空間を実現するために非常に重要です。
□屋上の防水層の種類と特徴
屋上は、雨風や直射日光に常にさらされているため、特に防水層の役割が重要です。
屋上防水には、アスファルト防水、シート防水、塗膜防水など様々な種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。
適切な防水層を選ぶためには、建物の構造や用途、予算などを考慮する必要があります。
1.アスファルト防水
アスファルト防水は、古くから使用されている伝統的な防水方法です。
液状のアスファルトを複数層に重ねて施工することで、高い防水性と耐久性を発揮します。
押さえコンクリート仕上げと露出仕上げの2種類の仕上げ方があります。
押さえコンクリート仕上げは、耐久性が高く、駐車場や不特定多数の人が利用する屋上などに適しています。
露出仕上げは、砂の付いたシートで保護する仕上げで、日常的な人の出入りが少ない屋上に適しています。
アスファルト防水は、耐久性が高く、コストパフォーマンスに優れているというメリットがあります。
一方で、施工に時間がかかること、重量が重いことがデメリットです。
2. シート防水
シート防水は、ゴムや塩化ビニル製のシートを下地に貼り付ける防水方法です。
アスファルト防水と比較して、工期が短く、軽量であることが特徴です。
密着工法と機械固定工法の2種類の施工方法があります。
密着工法は、接着剤でシートを下地に貼り付ける方法で、ベランダなどの狭い場所に適しています。
機械固定工法は、ディスクと呼ばれる塩ビ鋼板を下地に打ち付け、シートを固定する方法で、屋上などに適しています。
シート防水は、アスファルト防水に比べて初期費用が抑えられる場合がありますが、耐久性が劣ることがあります。
3. 塗膜防水
塗膜防水は、ウレタンやシリコンなどの液状の防水材を塗布して、防水膜を形成する工法です。
細かい部分の施工に適しており、既存の防水層の補修にも利用できます。
シート防水と組み合わせる複合工法もあります。
塗膜防水は、施工が容易で、軽量であることが特徴です。
一方で、耐久性がアスファルト防水やシート防水に比べて劣ることがあります。
□まとめ
防水層は、建物を雨風や湿気から守るための重要な要素です。
それぞれの防水層には特徴やメリット・デメリットがあり、建物の構造や用途、予算などを考慮して適切な防水層を選択することが重要です。